夜、子どもを寝かしつけたあとに観る映画は、「泣かせに来てるやつ」か「静かに心を殴ってくるやつ」に限ります。『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』は、完全に後者でした。しかも、笑わせてから殴ってくるタイプです。
あらすじ
舞台はアメリカ・ボストン。マサチューセッツ工科大学(MIT)で清掃の仕事をしている青年ウィルは、実は数学の天才。ある日、教授が黒板に書いた超難問を、ウィルが何事もなかったかのように解いてしまったことで正体がバレます。
しかし彼は、問題を解いてはふらっと友達と遊びに行くタイプ。才能をひけらかす気ゼロ。この「興味なさそうに天才」な感じが、まず最高です。
マット・デイモンが可愛い(若い)
これは事実として書きます。若い頃のマット・デイモン、めちゃくちゃ可愛いです。細身で、ちょっと生意気そうで、目が鋭い。天才だけど荒っぽくて、危うい。この配役、完璧すぎ。
冒頭のシーンから好き
教授が黒板の回答を見て「誰だ、これを書いたのは……?」とあぜんとするシーン。そして犯人(ウィル)は、何食わぬ顔で友達と遊んでる。天才の扱い方として、このどうでもよさが面白すぎました。なお、教授の「黒板は落書きするとこじゃねぇんだよ」というフリも完璧です。あれがあるから、後がより効く。
喧嘩シーン
街で因縁をつけられた相手に、
「幼稚園で一緒だったろ?」
と笑顔で言ってから殴り飛ばすウィル。そこからのスローモーション喧嘩、正直、声出して笑いました。ガチで殴り合ってるのに、「そこまで怒る理由は…?」っていう温度差も含めて妙にリアルです。
ハーバード生との言い合いが気持ちよすぎる
バーでの、ハーバード大学の学生との口論シーン。
「議論ってのは、自分の意見を言うもんだろ?
教科書を読んでくることじゃない」
この一言、かっこよすぎます。しかもウィル、数学だけじゃなく歴史も普通に強い。守備範囲どうなってるんですか。
セラピスト無双が笑える
喧嘩で捕まり、釈放条件としてセラピー強制になるウィル。ここからがコメディタイムです。
セラピストをバカにする
↓
怒らせる
↓
何人も辞めさせる
催眠術師をからかって追い返すところは、完全にコントで、普通に声出して笑いました。
ここから刺さってくる
最終的に担当するのは、教授の元ルームメイトであるセラピスト(ロビン・ウィリアムズ)。ウィルが知識を並べ立てて相手を攻撃したあと、決別?するのですが、後日セラピストが静かに言う言葉。
知識があるだけで、経験はわからない
自分の言葉で話さない限り、何も語れない
これ、本当にその通りで。本を暗記することと、実際に見て、感じて、失ったことがあるかは、まったく別なんですよね。ここから、ウィルがほんの少しずつ心を開いていくのが分かります。
友情がちゃんと「いいやつ」
こういう映画って、才能ある主人公の足を引っ張る友達が出てきがちですが。この映画の友達、
普通にいいやつすぎます。仕事をちゃんと紹介してくれて、最後には
「お前は、ここにいちゃいけねぇ」
って言う。もう兄弟じゃん。友情がちゃんと尊い。
ラストで完全崩壊
クライマックスの、
「君のせいじゃない」
「君のせいじゃない」
「君のせいじゃない」
と何度も繰り返すシーン。それを聞いたウィルが、ダムが決壊したみたいに泣き崩れる瞬間。あれはもう、心が開いた瞬間そのものでした。
本当のラストが、静かに泣かせにくる
最後、友達がノックしに来るシーン。
……来ない。
前に言ってた「お前は、いつか突然いなくなる気がする」というセリフの伏線、しっかり回収されます。分かってた。分かってたけど、友達のあの表情が切なすぎて、普通に泣きました。
オチが想像外すぎた
教授への手紙の内容。
「女を見極めたい」
まさかそこ持ってくるとは。知性でも名誉でもなく、ちゃんと人間として生きる選択。やられました。
エンドロールまでおしゃれ
暗転して流れるエンドロールじゃなく、車で道を走りながら流れてくる演出。静かだけど、前に進んでる感じがして、すごく好きです。
まとめ
天才の映画じゃなく「人の映画」
『グッド・ウィル・ハンティング』は、天才の成功物語ではありません。知識より経験、才能より人とのつながり、強がりより、本音それに気づくまでの話です。
育児中の今だからこそ、「頭がいいだけじゃダメだよな」とより深く刺さりました。静かに、でも確実に心に残る一本。ママの夜映画に、かなりおすすめです。



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